フィンテックって何? & カナダのフィンテック業界とその成長株 Borrowell

投稿者: | 2016年3月3日

borrowell
トロントを拠点にするFintech企業「Borrowell」が、Equitable Fundなどの機関投資家から640万ドルの資金を調達したとのニュースがありました。

BorrowellはカナダのFintech企業の中でも、「マーケットプレイス・レンディング」をそのフィールドとしている企業です。

 

Fintech、マーケットプレイスレンディングって?

最近よく聞くようになったこの「Fintech」という単語。

ご存知の方も多いとは思いますが、念のため説明してみたいと思います。Fintechとは、Finance(金融)とTechnology(テクノロジー)を合体させた用語です。つまりざっくり言ってしまうと、ITと金融を組み合わせた事業をする企業の事をFintech企業と呼びます。有名なところでいうと、ビットコインなどの仮想通貨もその一部に入ります。

アメリカでは約5年ほどくらい前から使われ始めた用語で、日本では2014年から盛んに使われるようになったそうです。

そして、そのFintechの一部が「マーケットプレイス・レンディング」というわけです。

マーケットプレイス・レンディングとは、機関投資家などから集めた資金を、オンライン上のプラットフォームを使って、個人やスモールビジネスに貸し出しすることを言います。

通常より安い金利で資金を借りられることから、急成長しつつある分野で、金融仲介業の新しい形として注目を浴びています。

 

マーケットプレイス・レンディングが急拡大しているワケ

マーケットプレイス・レンディングが急拡大している理由は、「Win-Win」の構造がつくりだされているから。

お金を借りる側は、従来より安い金利でお金を借りることができます。これはフィンテック企業が従来の銀行とは違い、オンラインで業務が完結するため、低いコストでビジネスができるという利点を活用しています。

一方、貸し出す側である機関投資家にも利点があります。世界的な低金利の中、機関投資家たちは満足のいくリターンを上げにくい状況になっています。そんな状況の中、ある程度のリターンがあげられそうな投資先として、このマーケットプレイス・レンディングに注目しているというわけです。

例えば、マーケットプレイス・レンディングでお金を借りる時の金利が 6%だったとします。すると、借りる側にとっては銀行(例えば仮に8%)より安い!となりますし、貸す側にとっても、リターンが中抜きされて例えば4%だったとしても、超低金利下の中では魅力的な投資先となるわけです。

 

また、2009年の金融危機のあと、貸し出しに対する規制が強化されているために、銀行は個人やスモールビジネスへの貸し出しをしにくくなっているという背景があります。何らかの理由があってお金を借りたくても、銀行が貸してくれない!!という状況があるというわけですね。

そのことも、マーケットプレイス・レンディングに成長する余地を与えてきました。

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トロントのマーケットプレイス・レンディングの雄 Borrowell

さて、冒頭に紹介したBorrowellですが、その成長速度はすさまじく、2014年の立ち上げからすでに500万ドル以上の融資実績があります。

融資の申し込みはオンライン上で完結し、申し込みをした翌日か2日後にはお金が振り込まれるというスピーディーさ。このように手続きをオンライン上で簡略化させることで、カナダ人が金利の安いBorrowellを利用して、他で借りている高い金利のローンを返済する、なんてことも可能にしているというわけなんですね。


この動画のように、申し込みの手続きはオンライン上で10分もあれば終わってしまいます。ちなみに僕の情報を入れてみると、約7%の金利でお金が借りられるみたいです。(さて、テレビでも買うか。)

 

カナダのFintech

Ernst and Young reportによると、カナダでのFintech業界は、昨年に比べて3倍の速度で成長するだろうと予測しています。

ただ、これは他の国に比べると遅れています。下の図は、「過去6カ月の間に、2つ以上のFintech企業のサービスを利用したことがありますか?」という問いに対して、YESと答えた人の割合を表した図です。

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Photo from http://www.ey.com/

 

この図を見てみると、やはり他の欧米諸国に比べてYESと答えた人の割合はかなり低くめ。なぜでしょうか?やはり「フィンテック企業からお金を借りるのは不安」と思っている人が多いからなんでしょうか?

その理由を調べるため、同じくErnst and Young reportがアンケート調査を実施したところ、なんとも意外な答えが返ってきたのです。

なんと、Fintechを利用したことがない理由として、「信用していない」と答えた人は全体の約10%しかいませんでした。一方で、半数以上の人が「Fintech企業のサービス自体を知らない。」と答えたのです。

つまり、信用する云々以前に、そのサービス自体を知らなかったのが大きな理由というわけです。

他の国でも同様の傾向がみられましたが、カナダではそれが特に顕著だったとのこと。これが本当であれば、カナダのFintechはその認知度を上げられさえすれば、もっと普及するかもしれません。

 

果たして今後、カナダのFintech業界も他の欧米諸国と同じような成長を見せてくれるんでしょうか。

今後の動向が楽しみです。

<参考>

  1. http://betakit.com/borrowell-is-betting-on-team-and-good-credit-to-disrupt-lending-in-canada/
  2. http://betakit.com/borrowell-raises-6-4-million-in-operating-and-loan-capital-from-power-financial-equitable-bank/
  3. http://www.ey.com/CA/en/Newsroom/News-releases/2016-Canadas-FinTech-adoption-rates-could-triple-in-a-year

[今日のひとこと]

実は明日、日本から妹が旅行でトロントにやってきます。久しぶりに会う妹と一緒に、トロントの名所を色々まわってみたいと思います。

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木村 拓哉

1991年、愛知県生まれ。カナダを拠点にフリーライター/翻訳家として活動。このブログでは自分の興味関心ごとをマイペースに更新していきます。ベンチャー企業、テクノロジー、WEBサービス、働き方など。自身が運営するWEBマガジン「CanadaLifeMagazine」ではカナダの生活情報を発信中です。詳しいプロフィール

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